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Argoデジタル

2026-08-13

DX人材が採れないなら、設計から変える——地方企業が選ぶべき道具と進め方

Argora編集部

地方でDX人材が採れない原因は採用力の問題ではなく市場の構造にある。その制約を前提に置けば、道具の選び方・スコープの絞り方・外部との組み方が変わってくる。

採用で解けない問題を、採用で解こうとしていないか

地方でDX人材が採れない理由を、多くの企業は自社の採用力の問題と捉える。しかし実態は、構造的な問題だ。

特定の職種において、都道府県単位で在籍者が三桁に届かない地域は珍しくない。母数がなければ、採用活動の改善には限界がある。フルリモートが一般化した今、地方企業の求人は東京・外資の求人と同じ画面に並んでいる。地域の相場で書いた条件は、全国区の相場と比べられたとき、黙って弾かれる。

Uターン採用も、思ったほど機能しない。技術職が地元に戻る受け皿として設計されている場は少なく、公務員・金融・地場の大手企業に偏っている。人材紹介会社に頼っても、手数料の期待値が低い案件はエージェントの優先順位から静かに外れる。

採用の巧拙以前に、市場が機能していない領域がある。それを認めることが、現実的な一歩目だ。

「専門家がいる前提」の設計が、地方でうまくいかない理由

問題はここで終わらない。採用できない状況でも、多くの地方企業は都市型のDX手法をそのまま輸入しようとする。

都市型のDX実装は、多くの場合「DX担当者が継続的に関わる」ことを暗黙の前提にしている。ツールの設定変更、データの読み直し、業務フローの調整——これらは専門知識を持つ人間が担い続けることで、初めて回り続ける。

その前提が崩れたとき、何が起きるか。導入したシステムが誰も触れない「聖域」になる。あるいは、対応できる人間が辞めた瞬間に、事実上の停止状態に入る。「DXをやった」はずが、実態は「一時的にツールを入れた」で終わる。

理想のDX人材を待たずに推進体制を組む方法でも触れているように、役割の分担を工夫することはできる。しかしその前に、「誰でも維持できる設計」になっているかどうかを問わなければならない。

人材不足を「体制」で補う前に、「設計」を見直す順序がある。

制約を設計の起点に変える

採用できない、という制約を前提に置いたとき、判断軸が変わる。

道具を選ぶ基準を変える

専門家がいなくても維持できるか——この問いを選定の軸にすると、候補が絞られる。確認するのは次の三点だ。

  • 設定変更に技術知識が不要か
  • ベンダーのサポートが自力で使えるか
  • 担当者が変わっても引き継げるドキュメントが整っているか

高機能なツールより、チームが使い続けられるツールを選ぶ。機能の多さは、維持する人間がいない環境では負債に変わる。

スコープを絞る

一度に複数のプロセスを変えようとしない。一つのプロセスを確実に動かすことを優先する。範囲を絞れば、担当者の学習量も維持コストも下がる。人手が限られている環境ほど、一点を深く動かす方が、広く浅く手をつけるより確実だ。

外部との組み方を設計する

専門知識が必要な部分は、社外から補う。ただし「全部お任せ」ではなく、社内に判断役を置く形にする。DX推進において経営層が引き取るべき判断の場面と同じく、内部の意思決定の軸を手放さないことが、持続のカギになる。外部が離れた後も運用が続くよう、内部担当者が仕組みを理解できる範囲に設計を留めることを優先する。


採用できない、という事実は変えられない。しかしその制約を前提に設計を組み直せば、DXは「いつかできること」から「今できること」に変わる。外部の伴走支援と組み合わせる進め方に関心があれば、しぼる(DX伴走支援)から相談できる。

FAQ

よくある質問

地方企業がDX人材を採用できない理由は何ですか

採用力の問題ではなく市場の構造的な問題です。対象職種の在籍者が少なく、フルリモートの都市圏求人と同じ土俵に並び、人材紹介会社の優先順位も下がりやすい状況があります。

DX人材がいなくてもDXを進めるにはどうすればいいですか

現在の社員が維持できる道具を選ぶことが起点になります。スコープを一つのプロセスに絞り、専門知識が必要な部分は外部伴走で補う設計が現実的です。

DX推進で外部パートナーを活用する際の注意点は何ですか

社内に判断役を置くことが重要です。外部が離れた後も運用が続くよう、内部担当者が仕組みを理解できる範囲に設計を留めることを優先してください。