← Argo:デジタル

2026-09-30

「AIに何を頼むか分からないとき」——少人数営業チームの業務棚卸しの手順

Argora編集部

「AIに何を頼めばいいか分からない」は行動力ではなく整理の問題だ。少人数で営業と顧客サポートを担うチームが、業務を仕分けてAI活用の糸口を見つける棚卸しの手順を示す。

「何を頼めばいいか分からない」は、整理の問題である

AIで業務を効率化できると聞いても、何から手をつければいいか分からない——そう感じている営業担当者は少なくない。これは行動力の問題ではなく、整理の問題だ。AI活用を前に進めるには、「自分の仕事を仕分ける」という棚卸しの作業が必要になる。

少人数で営業と顧客サポートを兼務している場合、日々の業務は「顧客と話す時間」とその「前後の作業」が混ざり合い、全体像が見えにくくなる。AIに任せられる作業があるとしても、まずその作業を「見える形」にしなければ委ねるものが決まらない。

「どこに使えばいいか」ではなく「何に使えるか」を先に問うことで、棚卸しの精度が上がる。

「効率化したい」の前に問うべき目的でも触れているとおり、AI活用の出発点は目的の整理にある。本記事では、その整理を実際に進める手順を、営業とサポートを担う少人数チームを念頭に具体的に示す。

業務を3つの種類に仕分ける

棚卸しの基本は分類だ。小規模な営業チームの業務は、次の3種類に仕分けると全体像が見えやすくなる。

  1. 対人業務 — 顧客との商談、アフターフォロー、クレーム対応。AIが代替できない、人が直接担う仕事の核心。
  2. 定型処理業務 — 議事録の作成、メール文面の起こし、見積書のフォーマット入力、よくある問い合わせへの返信。繰り返し発生し、一定の型がある作業。
  3. 判断・整理業務 — 顧客の優先度づけ、提案内容の組み立て、情報収集と要約。AIが補助できるが、最終判断は人が行う作業。

このうちAI活用が最も始めやすいのは「定型処理業務」だ。毎回ほぼ同じ型を使う文書作業や定型返信は、生成AIへの指示文(プロンプト)を一度作れば繰り返し使える。

「判断・整理業務」を最初から狙いにいくと、多くの場合手が止まる。この領域はAIに補助させることができるが、正確な業務データや整理された情報が前提になるからだ。AIを動かす前に整える業務データの条件でも述べているように、記憶や属人的なメモにとどまる情報はAIが扱いにくい。まず定型処理業務からAI活用を始め、記録として残す習慣を作ることが先決になる。

1週間の記録から棚卸しを始める

実際の棚卸しは、次の4つのステップで進められる。

  1. 1週間、自分の作業をメモに残す。 商談準備・メール対応・報告書作成・顧客からの問い合わせ対応など、何に何分かけたかをざっくりで構わないので書き出す。
  2. 定型と非定型に仕分ける。 同じような作業が繰り返し登場するものを「定型」として印をつける。
  3. 定型作業を「文章を書く」「情報を整理する」「調べる」の3種に分ける。 この3種類は生成AIが最も得意とする作業領域だ。
  4. 1つだけ選んで試す。 毎日あるいは週に複数回発生する定型作業を1つ選び、生成AIへの指示文を試作して実務で使ってみる。

最初から全業務を対象にしようとすると手が止まる。1週間の記録と1つの試作から始めることが、「何を頼めばいいか分からない」状態を抜け出す最短経路になる。

少人数で複数の役割を担う場合、棚卸しの機会そのものが作りにくい。こうした業務の整理を、外部の視点を借りながら進めるやり方もある。DX伴走支援「しぼる」では、AI活用の前段にある業務の仕分けから一緒に考えることができる。

FAQ

よくある質問

営業担当者がAIに何をさせればいいか分からないときはどうすればいいですか

まず1週間の自分の作業を書き出し、定型的に繰り返す作業を見つけることが出発点になる。メール文面の起こしや議事録作成など、毎回ほぼ同じ型を使う作業が最初の委ね先として適している。

少人数の営業チームがAI活用を始めるとき何から手をつければいいですか

業務を「対人業務」「定型処理業務」「判断・整理業務」の3つに仕分け、定型処理業務を一つ選んで生成AIで試作するのが最も始めやすい順序だ。

業務棚卸しのやり方を教えてください

1週間、何に何分かけたかをメモに残し、繰り返し発生する作業を「定型」として抽出する。そのなかから「文章を書く」「情報を整理する」「調べる」に当てはまる作業を一つ選んで試すと動き出しやすい。