Argoデジタル

2026-09-20

ベンダー選定を7ステップで整理する——各段階で出す書類と受け取る書類

Argora編集部

RFIから選定通知まで7段階のプロセスを整理し、各ステップで発注側が用意する書類と受け取る書類を並べる。書類の流れを事前に設計することで、評価の後付けを防ぐ。

ベンダーを選ぶ場面では、プロセスを「なんとなく」進めてしまうことが多い。候補リストをつくり、資料をもらい、デモを見て、価格で比べる——という流れは自然に見えるが、各段階で何を決めるべきかが曖昧なまま進むと、選定の根拠が後付けになりやすい。

ここでは、RFIから選定通知までの7段階を整理し、各ステップで発注側が用意する書類と受け取る書類を並べる。

7ステップの全体像——どこで何を決めるか

ベンダー選定は、次の順序で進む。

  1. RFI(情報提供依頼)
  2. RFP(提案依頼)
  3. 提案書評価(質疑応答)
  4. デモ
  5. 参照先確認
  6. 条件交渉
  7. 選定通知

この順番は、判断の粒度と連動している。RFIでは「誰に頼めるか」を広く探り、RFPで「何をどう頼むか」を具体化する。デモと参照先確認は、書類では測れない定性的な情報を補う段階だ。

ステップを飛ばすことはできる。ただし、飛ばした段階で判断すべきことは、後ろの段階に積み残される。

評価軸を先に決めることの重要性については、ベンダー選定の基準は比較表より先に決まるで詳しく整理している。

各段階で発注側が「出す書類」と「受け取る書類」

各ステップで発注側が用意する書類と、受け取る書類を並べる。

ステップ1:RFI(情報提供依頼)

  • 出す:RFI書類(自社の現状・課題の概要、求める情報の範囲)
  • 受け取る:情報提供書(会社概要、製品概要、導入実績、対応可否)

ステップ2:RFP(提案依頼)

  • 出す:RFP書類(要件定義書、評価基準、回答期限・スケジュール)
  • 受け取る:提案書

ステップ3:提案書評価(質疑応答)

  • 出す:質疑応答書(提案内容への追加質問)
  • 受け取る:回答書、補足資料

ステップ4:デモ

  • 出す:デモ依頼書(実施シナリオ、評価する観点のリスト)
  • 受け取る:デモ実施、デモ関連資料

ステップ5:参照先確認

  • 出す:確認項目リスト(聞きたいことを事前に書き出したもの)
  • 受け取る:ヒアリング結果メモ

ステップ6:条件交渉

  • 出す:交渉メモ、条件確認書(保守範囲・担当者継続・追加単価など)
  • 受け取る:最終見積書、契約条件書

ステップ7:選定通知

  • 出す:選定通知書(採用・不採用の別。不採用の場合は理由を添えることが望ましい)
  • 受け取る:受注確認書(採用先から)

受け取った書類を「次の判断材料」として使う

各段階で受け取る書類は、次のステップへ進むかどうかの判断材料になる。RFIの情報提供書を読んで「RFPを送る先を絞る」、提案書を読んで「デモに進む候補を選ぶ」——この連続性を意識しないと、書類のやり取りが事務作業に終わってしまう。

デモの場面では、事前のシナリオ設計が評価の精度を左右する。どの業務フローを見せてもらうかを依頼書に明記していないと、ベンダー側の「見せやすい画面」だけを確認して終わるリスクがある。評価項目の漏れを防ぐためのチェックポイントについては、IPAのベンダー選定評価表に発注側が足すべき3項目も参考になる。

参照先確認は、稼働後のサポート品質やトラブル対応の実態を知る数少ない機会だ。確認項目を事前にリスト化しておくと、複数の参照先を横並びで比較しやすくなる。

条件交渉は、価格の値下げだけが目的ではない。保守対応の範囲、担当者の継続性、追加開発時の単価——これらを契約前に文書で確認しておくことが、稼働後のトラブルを減らす。

選定から稼働までのプロセスを自社だけで回すことが難しい場合は、DX伴走支援(しぼる)のような外部支援を活用する選択肢もある。書類の整備から評価の設計まで、伴走できる体制を持つかどうかを早い段階で確認しておきたい。

FAQ

よくある質問

ベンダー選定のRFIとRFPの違いは何ですか?

RFIは情報収集のための問い合わせで、RFPは具体的な提案を求める依頼書です。RFIで候補ベンダーを広く集めてからRFPで絞り込む先を選ぶのが一般的な順序です。

ベンダー選定でデモを依頼するとき何を準備すればよいですか?

自社業務に近いシナリオと評価する観点をリスト化したデモ依頼書を用意します。事前に項目を明示しないと、ベンダー側の「見せやすい画面」だけを確認して終わるリスクがあります。

ベンダー選定の参照先確認で何を聞けばよいですか?

稼働後のサポート品質・トラブル対応・担当者の継続性などを確認します。提案書では見えにくい実態を知る数少ない機会なので、確認項目を事前にリスト化しておくと比較しやすくなります。